専門用語集

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ヒドロ系材料

Al-Mg系の材料をヒドロ系材料と呼ぶ。 ADC5、ADC6、DM2、AC7A等の材料が代表的。


ヒドロ系の材料の特徴は、耐腐食性が高い、アルマイトの載りがいい(ADC12はシリコンが邪魔して、ほとんど載らない)、少し粘っこい(純アルミに近いため)、鋳造性が悪い。


釣り具のリール、園芸用ハサミ、船外機等に使用されております。

ダイカスト
(ダイキャスト)
金型に溶融した金属(溶湯)を圧入する鋳造方式のことである。ダイキャストとも言われる。またこの鋳造法だけでなくダイカストによる製品をもいう。
亜鉛ダイカスト
(亜鉛ダイキャスト)

亜鉛合金などの非鉄金属をダイカストマシンを用いて高速・高圧で注ぎ込み、瞬時に成形する鋳造方式です。寸法精度が高く複雑な形状にも対応できるのが特徴です。


【メリット】
・粘りが強い。繰り返し使用する箇所に適している。
・抜け勾配を少なくできる。形状によっては抜け勾配0°にすることも可能。
・溶解温度がアルミダイキャスト(アルミダイカスト)より低いため、金型の持ちが良い。アルミダイキャスト(アルミダイカスト)の金型が5~10万ショットに対して、亜鉛ダイキャスト(亜鉛ダイカスト)の金型は10万~60万ショットまで鋳造可能です。それにより1個当たりの金型費用が安くなります。
・アルミダイキャスト(アルミダイカスト)より鋳造性が良く、細かく、形状が複雑で、薄肉のものが製造できる。
・アルミダイキャスト(アルミダイカスト)より、鋳造状態で、高い寸法精度が得られる。
・ホットチャンバーという亜鉛ダイキャスト(亜鉛ダイカスト)専用の機械があり、アルミダイキャスト(アルミダイカスト)の機械より生産性が高い。

【デメリット】
・アルミダイキャスト(アルミダイカスト)より、比重が約2.5倍ほど重い。
・粘りが強いため、打痕が付きやすい。
・材料の値段がアルミニウムに比べ、安定しない。乱高下する。

インサート鋳造

亜鉛ダイキャスト(ダイカスト)アルミダイキャスト(ダイカスト)の製法の一つで、金型の中に鉄等の製品(ジク、ブッシュ、スプライン等)を入れ込んでから、鋳造する方法です。


メリットとしましては、鉄等の製品とダイキャスト製品が一体となるため、ドアの取っ手等で、手に触れる部分は粘りの強い亜鉛が良いが、軸の部分は、強度がほしいので、鉄が良い等のダイキャストの弱点を補完し、ダイキャストの利点も活かせます。


使用例としましては、上記の取っ手の軸の他に、ケースやギヤのように、ダイキャスト向きの形状だが、相手物があり、アルミ亜鉛にはない強度がほしいため、それがあたる部分(ブッシュ、スプライン歯等)をステンレスや冷間鍛造品にする等があります。中には、アルミは磁石にくっつかないため、磁石に反応させるために、鉄のプレートをつけるといった近接スイッチのような役割を持たせることもあります。


ダイキャストがプラスチック成形のインサート成形に、プラスチックにはない強度を出すため、口金のように使われることもございます。

パイプジョイント

流体配管用の継手は流体継手と呼ばれることもあり、そのようなものはカップリング、フィッティング(fitting)、ルアーロック、あるいは単純に継手、ジョイント、コネクターといった様々な別称を持つ。

お湯

液体になったアルミニウム、亜鉛のこと。溶湯ともいう。「お湯の温度が低い」はよく言うフレーズ。

湯流れ

溶けたアルミニウム、亜鉛が金型内を流れることをいう。「湯流れが悪い(スムーズに充填できなかった)」は、よく言うフレーズ。

製品に表面、内部にある空間のこと。丸い形をしていることが多い。空気を巻き込みながら、成形するため、製品の内部、表面に空気の空間ができる。何かが住んでいるということから「巣」という字が当てられたという説がある。

ふくれ

製品の表面にできるふくれあがった箇所のこと。ふくれは、巣が表面近くにある時、溶けたアルミが凝固するときに表層部分を空気が押し上げることによってできる。

吹く

ダイカスト成形中に、閉まっている金型から材料が吹き出ること。吹き出ると、危険であるのはもちろん、圧力が逃げていってしまうため、製品の品質も低下する。金型が古くなると、吹き出ることが多くなる。

ノロ

溶湯が空気に触れると、酸化して、不純物ができる。溶湯の約10%くらいはノロになってしまう。

ノロかみ

生じたノロが、溶湯ともに金型に充填され、製品の中に不純物として介在すること。ノロ等があると、機械加工時に刃物の破損の原因となることがある。

湯じわ

鋳造時の欠陥の一つで、ダイカストの表面に現れる浅いしわ。外力が加わる場合は、割れにつながり、外力が加わらない場合は、見た目が悪いということで不良になることがある。また湯じわの真裏に同じように湯じわがあると、漏れの原因になったり、貫通している恐れがあり、特に耐圧部品は注意が必要。

湯境

鋳造時の欠陥の一つで、溶湯が型の中で合流する際に溶湯同士が完全に密着せず、境目になって見える現象。湯じわと区別がつきにくい。ただ表面だけの場合もあれば、湯じわと違い、内部まで続いている場合もあり、強度不足、漏れ等の不具合が発生しやすくなる。

エンドレス

ベルトが回転している機械で、ダイカスト製品の湯口、パーティングライン、オーバーフローの除去をするための粗めの研磨作業。ベルトの番手は、数字が大きくなれば、目が細かくなる。

オーバーフロー

鋳型内にあった空気、ガスを含んだ溶湯、酸化物等を製品に残らないようにするために設けた空間。

パーティングライン

ダイカストでは型と型との合わせ面が必ず存在し、製品に線となって現れる。

湯口

溶けた金属を鋳型に流し入れる口。ここのサイズ、位置で製品の良品率は変わるため、重要な箇所。

チル層

α相(AL)がデンドライト状(樹枝状晶)に生成している領域を言い、溶湯と金型面の温度勾配が大きいときに現れやすい。製品の表面部に見られる。
α相(AL)は、α固溶体とも呼ばれ、アルミニウム100%ではなく、わずかに他の元素を含んだアルミニウムを示す。

フラックスを溶湯に入れて、かき混ぜたあとに表面に浮き上がってきたもの。

フラックス

アルミニウムの溶湯に投入し、攪拌させて、溶湯中に混入した酸化物を除去するための物。

材料を溶かすとき、特に返り材(リターン材)を使用するときに、発生する溶湯中の上澄み。酸化物。

返り材
(リターン材)

品質上不良となった製品や捨てショット品等。

捨てショット

鋳造の始めに、金型の温度を温めるために製品を作ること。捨て打ちとも言う。それによってできた製品を捨てショット品、捨て打ち品という。ダイキャストには必須。

バリ

金属等を加工した際に発生する出っ張りやトゲ。ダイキャストの場合、金型の摩耗により、金型の合わせ面(可動側と固定側の接地面、パーティクルラインが出てくるところ)に隙間が出来て、そこに溶湯が流れ込むことによって、発生する。

可動側
(金型)

ダイカストマシンの稼働定盤に取り付けて、金型の開閉時にこちらが動きます。製品の取り出しの押出ピンがつきます。

固定側
(金型)

ダイカストマシンの固定定盤に取り付けて、固定されます。固定側から溶湯を投入します。

カエリ

基本的にバリと同じ。弊社では、カエリは、機械加工後の加工面の端に表れる出っ張りを指すことが多い。